“ビール”の基礎知識・豆知識

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季節を問わずいつでも美味しい”ビール”が飲みたいと思っている”ビール”党の方へ。”ビール”はスタイルや温度によって味わいの変化もあり、ポイントを知ることでより一層楽しむことができます。”ビール”の基礎知識や楽しみ方を知って様々な”ビール”を試してみませんか。

“ビール”の原料

“ビール”の原料は、主に水、麦芽(モルト)、ホップ、酵母の4つです。それにフルーツなどを加え味わいに個性を出す醸造所も最近では増えてきています。クラフトビールはこれらの原料にあらゆる試行錯誤が行われ、オリジナルのレシピで醸造されています。ビールの原料

“ビール”の製法

“ビール”は、製麦からパッケージングまで複数の工程を経てつくられています。製麦から瓶詰に至るまでの期間は、およそ1ヶ月間かかります。ここでは”ビール”の完成までを7工程に分けて解説していきます。

ビール造りの工程は大きく以下の工程に分類されます

製麦
大麦を発芽させて麦芽にします
粉砕
製麦した麦芽を細かく砕きます
仕込
粉砕した麦芽に温水を入れ、濾過したのちにホップを投入
発酵
酵母を投入した後、発酵が起き、アルコールと炭酸ガスが生成
熟成
貯酒タンクに移動し、数日〜数ヶ月熟成させます
濾過・熱処理
酵母を熱処理か濾過することで働きを止めます
パッケージング樽や瓶・缶に詰められます

発酵

酵母菌などの微生物が糖質をアルコールと炭酸ガスに分解する発酵過程。発酵がどのようにして、おこなわれるかで【上面発酵】【下面発酵】【自然発酵】に分類できます。日本のビールのほとんどは、【下面発酵】のラガータイプの”ビール”です。

上面発酵

呼び方エールビール
発酵の温度高い(20℃前後)
発酵の期間短い(3〜4日)
味わい豊かな香り味わいも様々
発酵の種類
エール酵母で発酵

下面発酵

呼び方ラガービール
発酵の温度低い(10℃前後)
発酵の期間長い(7~10日) 
味わいスッキリのど越し
発酵の種類
ラガー酵母で発酵

自然発酵

呼び方自然発酵ビール
発酵の温度それぞれ
発酵の期間長い(1年以上)
味わい独特の香りと酸味
発酵の種類
天然酵母でゆっくり自然発酵

日本の有名な”ビール”は大半が下面発酵で作られています。理由としては、低温発酵のため雑菌が繁殖しにくく管理がしやすいことから、大量生産に向いているとされています。上面発酵で造られるエールビールは芳醇で濃厚な味わいと飲み応えが特徴です。またその種類は多岐に渡り、様々な”ビール”の個性や多様性を楽しむことができるのでクラフト”ビール”で多く用いられています。 

“ビール”の種類

“ビール”の発酵には3種類あり、エールやラガーをさらに細かく分類した、”ビール”の種類のことを「スタイル」といいます。”ビール”のスタイルの数は100種類以上にものぼり、用いる原料や醸造法によりスタイルは分類されています。

エールビール

写真:"ビール"ヴァイツェン  WEIZEN

ヴァイツェン  WEIZEN

小麦の麦芽を使用したドイツ発祥のスタイルです。小麦のたんぱく質で白濁しているのが特徴で、バナナやナツメグを思わせるアロマは、エール酵母の一種、「ヴァイツェン酵母」によるものです。

【代表銘柄】シェッファーホッファー

写真:"ビール"アイピーエー  IPA

アイピーエー  IPA

18世紀にイギリスからインドに運ばれた”ビール”が起源となります。暑さによる腐敗を防ぐため、防腐効果のあるホップを大量に加え、アルコール度数も高くし、ガツンとした苦みが特徴です。

【代表銘柄】長浜IPAヤッホーブルーイング インドの青鬼

写真:"ビール"ペールエール  PALE ALE

ペールエール  PALE ALE

明るい銅色で軽快なモルトを感じる”ビール”です。大きく分けて、イングリッシュスタイル(若草やダージリン)とアメリカンスタイル(柑橘類を思わせるアロマとホップのアロマ)があります。

【代表銘柄】ヤッホーブルーイング よなよなエール

写真:"ビール"スタウト  STOUT

スタウト  STOUT

麦芽が課税対象だった当時、節税のために大麦をローストして使用し、コーヒーをほうふつさせるフレーバーが完成しました。ローストの苦みとわずかな酸味が特徴のスタイルです。

【代表銘柄】ギネス

写真:"ビール"ベルジャンホワイト  BELGIAN WHITE

ベルジャンホワイト  BELGIAN WHITE

ベルギーで古くから造られている伝統的なビアスタイルです。小麦を使用すること、コリアンダーシードやオレンジピール(オレンジの皮)を副原料として用いています。

【代表銘柄】ヒューガルデン

写真:"ビール"トラピスト  TRAPPIST

トラピスト  TRAPPIST

トラピスト会の修道院で造られるビールのことで、現在トラピスト”ビール”と名乗れる”ビール”を造っている醸造所は、世界で11カ所のみ。アルコール度数が高く、濃厚な味わいの銘柄が多いため、ゆっくり味わって楽しめます。

【代表銘柄】シメイ

ラガービール LagerBeer

写真:"ビール"ピルスナー PILSNER

ピルスナー PILSNER

チェコにある醸造所で発明され、世界中で最もよく飲まれているスタイルです。日本で見かける”ビール”のほとんどがこのピルスナー。色は透明感のある黄金色で、炭酸が強く、細かく豊かな白い泡が立ちます。ホップの香りと苦みが良く効いており、雑味がない切れの良さが特徴です。

【代表銘柄】アサヒスーパードライ、ピルスナーウルケル

その他 Others

写真:"ビール"フルーツビール  FRUIT BEER

フルーツビール  FRUIT BEER

副原料に果物を使用した、果実味あふれる”ビール”です。最初のひと口からのど越しまでフルーツのジューシーさが愉しめます。

【代表銘柄】北海道麦酒 フルーツ”ビール”

美味しく飲むポイント

いつもの”ビール”も飲み方を工夫することでさらにおいしく感じられます。ぜひ、お手元の”ビール”で確かめながら試してみてください。

スタイルに合うグラスで

“ビール”をより美味しく飲むことにこだわりたい方は、ぜひグラスに注いで飲んでください。そうすることで”ビール”の美味しさを引き出すことができます。さらに各ビアスタイルが持つ特徴によって使うグラスを分けてみるのもポイントの一つです。

おいしい”ビール”の注ぎ方

三度注ぎ

  • 1. 最初は静かに、その後勢いよくグラスの半分ほどまで注ぎ、泡と液を1:1に
  • 2. グラスに沿わせて縁からゆっくりと上部ま で注ぐ
  • 3. 泡がグラスから2cmほど盛り上がるまで静かに注ぎ足す泡と液が3:7に

食事と合わせて

IPA:カレーや角煮(ホップに負けない味の濃い料理に)

ペールエール肉じゃが・水炊き(多くの料理との相性が良い)

ピルスナー焼き鳥・天ぷら(揚げ物や塩気のきいた料理に合う)

スタウト:焼肉・すき焼き(味の濃い料理や炙り物と相性良し)

その他のお酒の基礎知識はこちらからご覧ください

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