“焼酎”の基礎知識・豆知識

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九州を中心に全国各地で製造される”焼酎”。原料や蒸留方法、熟成方法など幅広い製法で造られ、その地域毎に違った個性を持つ。まさに日本の国酒ともいえる焼酎の基本的な知識をご紹介します。

焼酎造りの工程

焼酎は大きく分けて「単式蒸留焼酎」と「連続式蒸留焼酎」の二つに分けられます。単式蒸留焼酎は本格焼酎や乙類焼酎とも呼ばれ、原料の味わいや香りなどの特徴を残した焼酎が出来上がります。

常圧蒸留

古くから行われるオーソドックスな蒸留法。通常の気圧のもと90℃〜100℃の沸点で蒸留する為、原料の風味がそのまま残った味わいに仕上がります。

減圧蒸留

蒸留器内の気圧を下げて40℃〜50℃程で沸騰させる蒸留法。雑味を抑えたスッキリとした口当たりの軽やかな味わいの焼酎に仕上がります。

焼酎の味わいを大きく左右するのは主原料ですが、同じ主原料でも麹菌の種類や蒸留方法、熟成の種類等、細かな工程の違いで味わいにも差が生まれます。

原料別本格焼酎の特徴

焼酎は様々な原料から造られる世界でも珍しい蒸留酒です。人気の高い芋焼酎や麦焼酎は勿論、そば焼酎や栗焼酎など珍しい原料から造られる焼酎も存在します。

主な原料大麦・麦麹・米麹
製造時期年間
主な生産地長崎県(壱岐)・大分県
代表銘柄いいちこ・二階堂・兼八
特徴ウイスキーなど様々なお酒の原料となる麦。現代の主流は減圧蒸留によるスッキリした味わいですが、濃厚な常圧蒸留や、樽貯蔵した琥珀色の焼酎等、製法次第で大きく変わる印象も魅力。

主な原料さつまいも・米麹
製造時期9月~12月(芋の収穫期)
主な生産地鹿児島県・宮崎県
代表銘柄森伊蔵・魔王・黒霧島
特徴芋特有の甘みと旨味が特徴。芋臭いとのイメージが強い芋焼酎ですが、製造技術の進化と芋品種の多様化により、現代では果実の様な香りなど幅広い味わいを持つ焼酎が生まれています。

主な原料米・米麹
製造時期年間
主な生産地熊本県
代表銘柄鳥飼・白岳・繊月
特徴焼酎の起源と言われている米焼酎の主流は減圧蒸留。クセの無い味わいが特徴で米が主食の日本人の食中酒には最適。原料が日本酒と重なることから、日本酒蔵での製造も盛んです。

そば

主な原料そば・米麹・麦麹
主な生産地宮崎県
代表銘柄雲海
特徴「そばの実」から造るクセの無い焼酎。そば湯割りもオススメ。

黒糖

主な原料黒糖・米麹
主な生産地鹿児島県(奄美大島)
代表銘柄れんと・喜界島
特徴奄美大島でのみ製造される焼酎。黒糖由来のコクと甘みが特徴。

主な原料栗・米麹・麦麹
主な生産地四国・宮崎県
代表銘柄ダバダ火振・栗天照
特徴まろやかな甘味が特徴。栗が高価な故、栗焼酎も比較的高価に。

泡盛

主な原料米麹(タイ米)
主な生産地沖縄県
代表銘柄残波・久米仙・菊之露
特徴沖縄県の伝統的な焼酎で、香味成分が多く濃醇な味わいが特徴。

焼酎”の熟成方法

蒸留を終えた焼酎は脂質やガスを多く含んでおり、美味しく飲める状態ではありません。タンクや甕壺、樽に貯蔵し、ゆっくりとそれらを抜いていきます。芋焼酎の場合、最低でも半年は寝かせることがほとんどです。また、その熟成方法により、味わい、香りに様々な影響を与えます。

甕壺(かめつぼ)貯蔵

甕壺には小さな穴が無数に存在する為、ガスの抜けが良く熟成速度が速い。味わいは独特のまろやかな口当たりに仕上がるのも特徴の一つ。

樽貯蔵

主に麦焼酎で用いられており、樽由来の琥珀色の液色と豊かな木の香りが特徴です。使用する木材の種類によっても異なった特徴となる点も魅力の一つ。

タンク貯蔵

密閉状態のため、アルコール分が揮発しにくいことが特徴。容器由来の香りが付きにくいので、品質を一定に保つことができるというメリットもある。

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