“日本酒”の基礎知識・豆知識

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知れば知るほど旨くなる日本酒の世界。今号では、意外と知らなかった日本酒の基礎知識をご紹介します。知識をもって”日本酒”を選ぶことで、きっとあなた好みの日本酒に出会えることでしょう。

日本酒造りの工程

基本的な日本酒の製造工程をご紹介。日本酒は米・米麹・水を主な原料とする醸造酒。気温や湿度、蔵や造る酒質によっても工程は多種多様。それこそが日本酒の良さともいえるでしょう。

日本酒造りの工程

「糖化」と「発酵」を同時に行う「並行複発酵」と呼ばれる製法は、日本酒が世界に誇る伝統技術です。杜氏や蔵人の経験と勘が、大きく味わいを左右し様々な味わいの日本酒を生み出す。造りを知ればきっと味わいの感じ方も変わるでしょう。

特定名称酒とは?

「特定名称酒」とは、原料と精米歩合等の基準に則った日本酒で、簡単に言うと醸造アルコールの添加有無によって、純米酒かどうかが分けられ、米をどの程度削っているか(精米歩合)の比率で、吟醸や大吟醸といった分類がなされます。

名称原料精米歩合香味などの要件
純米大吟醸酒米・米麹50%以下吟醸造り・固有の香味と色沢が特に良好
純米吟醸酒米・米麹60%以下吟醸造り・固有の香味と色沢が良好
特別純米酒米・米麹60%以下 又は
特別な醸造方法
香味と色沢が特に良好
純米酒米・米麹香味と色沢が良好
大吟醸酒米・米麹
醸造アルコール
50%以下吟醸造り・固有の香味と色沢が特に良好
吟醸酒米・米麹
醸造アルコール
60%以下吟醸造り・固有の香味と色沢が良好
特別本醸造酒米・米麹
醸造アルコール
60%以下 又は
特別な醸造方法
香味と色沢が特に良好
本醸造酒米・米麹
醸造アルコール
70%以下香味と色沢が良好
※こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合)が15%以上のものに限る

■ 純米酒

■ 吟醸酒

■ 本醸造酒

酒造好適米の特徴

酒造好適米とは、「心白」と呼ばれる米の中心部分が大きい為デンプンの含有量が多く、吸水性・糖化性に優れ麹菌の繁殖がしやすい日本酒造りの為に開発された米品種。現在流通している品種は約100種類程存在すると言われています。

山田錦

【主な生産地】兵庫県

【特徴】酒米の王様と呼ばれ生産量は全国一。吟醸系の酒質に多く用いられ、香り高い酒質を生みだす。

五百万石

【主な生産地】新潟県

【特徴】山田錦と並ぶ二大酒米。粒が小さく高精米にはあまり向かないが、キレがあり綺麗な味わいを生む。

美山錦

【主な生産地】長野県

【特徴】寒さに強く、東北等寒冷地での生産に適した品種。フルーティで軽やか、繊細な香りが特徴。

日本酒が生まれる上槽の瞬間

約1ケ月を掛けてじっくり発酵させたもろみを、様々な方法で圧力をかけ搾り、出てくる液体が日本酒の原酒です。搾り方(圧力の掛け方)によって、香りや味わいが大きく変化。搾り終えて残ったものが酒粕と呼ばれます。

上槽方法による違い

自動圧搾機

アコーディオンの様な通称「ヤブタ」とも呼ばれる最も一般的な圧搾法。空気圧により安定した効率の良い圧搾が可能。

槽(ふね)

舟型の容器にもろみを入れた酒袋を並べゆっくりと圧力を掛け圧搾。古くからの手法で上質な酒の上槽に用いられる。

袋吊り

醪を入れた酒袋を吊るし圧力を掛けずに雫を採取する。最も手間が掛かる手法で蔵の最高級品の上槽に用いる事が多い。

上槽の段階による名称・味わいの違い

"日本酒"搾り始めから終わり

【あらばしり】
低めのAlc度数と薄く濁った液が特徴。
プチプチとガス感を含むワイルドな印象。

【中取り】
味・香りのバランスに優れた最も高品質な部分。雑味の無い贅沢で貴重な原酒。

【責め(せめ)】
上槽の最後に強い圧力で搾る為、複雑味を含む荒々しい酒質。濃厚なタイプに。

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